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戦国霊異伝

[ゲーム紹介]

戦国霊異伝 最終更新時間:2010年04月18日 21時58分14秒

発行年:1993年

発行:キラメキ

価格:3500円

版型:A4 ブックタイプ(復刻版はハードカバー)

使用ダイス:D6*3

ゲームの紹介

 多分日本で唯一の(違っていたらゴメンナサイ)戦国時代(風の世界)を扱ったTRPG。クラス制で、以下の5つのクラスから選択…と言いたいところなのですが、このゲーム、キャラの出身身分によってなれるクラスに相当制限がかかる場合があります。例えば、神主の生まれなら自動的に「巫女」になるとか。

 武芸者…分かりやすく言うと「戦士」です。戦いの専門家で、パーティに一人はいないと戦闘時には相当苦労するでしょう。色々な流派があり、それぞれに強力な「極意」があります。

 忍 び…ニンジャニンジャニンジャ。何だか強そうですね。クリティカルヒットで首チョンパとか。でもこのゲームの忍者はそんな存在ではありません。どちらかというとカムイ伝のカムイのような、抜け忍という扱いがメインで、要するに組織から追われる存在です。強力な忍法や忍術が使えますが、そんなものを連発しなくてはならないような状況では既に終わってます。忍者の戦力は所謂シーフのそれで、あくまで補助的なものであり、正面切っての戦いは避けるべきです。

 密法僧…要するに坊さんです。良くあるファンタジーだとまんまプリースト。真言などが主体の法術が使えます。あと、身体を鍛えているので気休めくらいは戦闘力があります。特殊能力として「托鉢」というのがあり、余程のことがない限り食いっぱぐれることはないでしょう。

 回復魔法が使えます。つまり、なるたけ居て欲しい存在ですね。

 陰陽師…式術・妖術を駆使する術の専門家です。魔法使いですね。戦闘はからきしですが式神を使役することで多少の戦力補助にはなります。そんな事をするくらいなら他のことをした方が良い場合も多々あるでしょうが…。

 巫 女…巫女さんですヨ(;´Д`)ハァハァ・・・。巫女さんの出来るTRPG。萌えますね。実際はそんなにいーもんでもないですが。クラスの特徴としては対妖魔(妖怪・化け物)に強力な力を持つ神術(まぁ、神様の奇跡ですな)が使えます。

 対妖魔戦闘には強力な補助戦闘力になるでしょう。逆に言えばそれ以外の場合は…。

 回復魔法が使えるので密法僧か巫女のどちらかがパーティにいるのが望ましいですね。ただし、この世界の回復魔法はどちらも戦闘時には使えないという重大な問題を抱えています。マズ生き残らないと話になりません。

 判定は3D6でチャート表参照なのでそれほど難しいことはありません。但し、このゲームの戦闘には「攻勢値」というポイントがあり、1ラウンドに1回しか使えないこれをどう使うかが生死を分けるポイントとなります。また、相手にどうやって攻勢値を(ムダに)使わせて弱体化させるかという戦略も重要になってきます。この攻勢値があるために例え武芸者といえど多対一の戦闘は自殺行為で、囲まれたらあっという間に死ねます。

 また、このゲームは成長システムも独特で、レベルアップ=強くなる、と言う等式が成立しない場合があります。つまり、レベルアップすると弱くなるわけです。
 これはキャラ作成時に技能毎に「才」というものが決められ、その才によって成長パターンが決定するためです。才によってはずっとダラダラ成長したり、突然強くなったり弱くなったりします。なんでも、スランプに陥ったりする状態を表現したんだとか何とか。

 以上のように、このゲームは結構独特なゲームです。さらに、戦闘バランスがかなりシビアなのでD&Dをやる様なつもりで気を引き締めてかからないとすぐ死にます。
 また、西洋風ファンタジーのゲームだと適当に史実には目をつむってご都合な存在(冒険者の宿とかね)を認められていたのに、自国の歴史風となるとどうも知識が邪魔をしてシナリオが組みにくいなぁと感じたりと色々あるのですが、何となく捨てがたい、私のお気に入りのゲームでもあります。
 そういう人が多かったのか数年前に復刊されました。まだホビーショップなどでは復刊された物が入手できるようですので巫女さんに興味のある方、武士の殺るか殺られるかの真剣勝負を体験したい方にはオススメです。(山哲